生まれて初めて本格的に胃の検査を受けました。
飲み込んでも食べ物がつっかえるような感じがするので。
怖がりの痛がり屋で小心者のわたし。
まわりの人に「胃カメラの検査って苦しいぞー、鼻水と突き上げと涙でぐしゃぐしゃで、人の尊厳もなにもあったもんじゃない。あんな苦しい思いをするなら病気のままでけっこうだ」と豪語され、ネットで散々調べて経鼻内視鏡なるものにしようと強く希望しました。
検査日まで、びくびくしながら過ごした一週間。
もしガンだったら…とあれやこれや心準備。
入院グッズの用意、貴重品の整理、下着を新調、お知らせの準備などなど。
そして今日、気さくな感じの看護士さんが柔らかい笑顔で「ほかの病院と違う麻酔方法で、そんなに苦しくないですよ、どうしてもダメなら経鼻にするのでだまされたと思っていっぺん口からやってみませんか」と勧めます。
ええっ!? ホントにほんと??!! うそじゃないでしょうねっ!
わたしの疑いのまなざしをにこにこしながら受け止めてくれました。
「中学生も口から飲んでますから」と言われてついアハハハ。
笑ったら少し安心したりして。
よし、それじゃぁ…。
それでもやっぱり緊張しまくって入室。
白濁した液体を小さい紙コップ一杯ごくり。
胃の内面をきれいにする薬だそうです。
やたら辛いスプレーをのどに向けシュッシュッ。あー、辛くて涙出る~!
それを下を向いてゴクン。なかなかゴクンできずにゲホゲホ。
それを二度。
つばが飲み込めない感じと、のどが腫れちゃったような不快感があります。
プラのじょうごのようなものをくわえさせられ、歯でかまずにくちびるで押さえるようにします。
息は鼻で吸って口で吐く。何度か練習し、そのたびに「そうそう、いいですよ」と励まされました。
左を下にしベッドに横になると看護士さんが軽く手を握ってくれました。
怖いので目を閉じたら「目を開けたほうがのどに力が入らなくて楽ですよ」とアドバイスがありました。
担当するのは若いちょっといい男。
さぁ、管が入りまーす。
やはりオエッとなり、「敏感ですねぇ、もう一度やってみますよ」に励まされて再挑戦。
おっ、カメラってオリンパス社のものを使ってるのね。
「上手、じょうず」「今のどを通過しましたよ」「十二指腸まで入りましたから今度は胃にもどります」「今度は空気が入るのでゲップが出そうになりますが我慢してね」「体から力を抜いて~」「胃の壁がきれいです」「もう少しです」そっと体に触れてことばをかけてくれます。
アレっ、あまり苦しくないじゃないか。
一度も「がんばって」ということばが出ないのが私にとってはリラックスできました。
10分くらいだったのでしょうか。少し涙目。
「はい、終わりました。どうでしたか?」「はい、何とか…」「よかったーーー! うそつきにならなくて(笑)」
あまり苦しまずに済んだことが嬉しく、ありがとうの気持ちでいっぱいになりました。
写真に写った自分の体内をしみじみながめました。
ベージュできれいな胃や食道に小さな良性のポリープを発見しましたが、異常なし!!
あんなに心配したのに異常なし!!
看護士さんに抱きつきたいほど感激。
今後は胃の事も意識しながらやさしい食生活しなくちゃ。
万が一を覚悟して身の回りを整理したここ数日の思いを無駄にしないで生きていこうとも思いました。
健康だときっといい司会もできるでしょうし。
これからは怖がらずに定期的に検診を受けます。