昭一さんと富子さん

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先ほどまで披露宴が行なわれていた会場に高くイスが積み上げられ、タバコとお料理の残り香が漂って、どんでんの真っ最中。
昼からの披露宴が終わり、今度は昭一さんと富子さんのために会場が一新されます。
               VFSH0022.jpegレモンイエローのテーブルクロス・黄色を基調とした装花・お料理も新たな香りを運び、いよいよ披露宴の始まりです。
40代の昭一さんは気取らない朴訥とした人柄そのままに「私は同年代男性の希望の星になります」と語り、そばでにこにことたたずむ小柄な富子さんととてもお似合いのカップル。
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しっかり者の新婦とほのぼの新郎の披露宴が始まりました。
新郎の勤務先の全社員がもろ手を挙げて祝う中、主役が紋服と色打掛でご入場。
祝辞のお一人目は新郎の会社の社長さんです。
ご自分の伴侶が病に倒れ、介護の日々だが今こそ人生で最も幸せな夫婦生活を送っている実感があると語られました。
そして真の夫婦関係について二人にも考えて欲しいと話されました。
「長い結婚生活で今が一番幸せだ」ということばが私の心に残りました。

乾杯が済むとすぐに祝い歌が入りました。
その後色打掛からドレスになった新婦を、とろけるような笑顔でエスコートしながら新郎が入場してケーキカット・スピーチ・余興へと進みます。
すっかりリラックスして余興に参加した新郎は「ほら、司会が時間を気にしているよ、段取り悪いなー君達。」と余裕の表情で仲間をちゃかします。

披露宴終盤、ちどり足の新郎は途中新婦のドレスのすそを何度か踏みながらキャンドルサービスとなりました。

おひらき近くになり、ご家族へ花束贈呈の場面ですが、ここで新婦からのお手紙はなく、新郎からお母様への感謝の手紙がありました。
それを私が代読です。
年老いたお母様が曲がった腰を伸ばし伸ばし車周辺の除雪をしてくれること、毎日欠かさず弁当を作ってくれることへの感謝の気持ち、そしてこれからは自分たち二人に任せて少し楽をしてくださいと書かれてあります。
彼の気持ちになって津軽弁でお伝えすると大きな拍手が沸き、小柄なお母様はますますうつむいて小さくなったように見えました。
私にも息子がいますから、彼が新郎になった時にこうして母親の私にメッセージを伝えてくれたら最高に嬉しいよなーと思います。
お客様をお送りする二人の安堵の表情が披露宴の疲れを忘れさせてくれます。
昭一さんの望みどおりの“みんなが楽しんでくれるなごやかな披露宴”になりました。

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