新婦宅にはコーギー犬のリキ君がいて、新郎と誕生日が一緒。
新郎が新婦と会っている時はご機嫌ななめ。
新郎とリキ君はよきライバルです。
犬好きの二人が選んだウェルカムドールが寄り添う受付席でした。
赤いバラ一色の会場。
圧倒されるほどの赤です。
場内はまるで「一万本のバラ」のイメージでした。
この日は新郎の亡きお父様の誕生日でもあります。
お父様を亡くされて7年になる新郎側は名代として弟さんが迎賓なさいました。
この婚礼の数日前、新婦は父方の90歳のおばあちゃまのために白無垢姿でご実家を訪ねています。
それは内緒でしたから、おばあちゃまはおおいに驚き、ぽろぽろと涙されて喜んだというお話をプロフィールに入れました。
発案は新婦のお母様でしたが、賛同した新婦の優しさを物語るエピソードです。
その時の記念写真に、仏壇から丸い陰が飛んでいるのが写っていて、それを披露宴の中でもスクリーンに投影することになりました。
ゲストもその影を見つけようと、食い入るように見つめます。
霊魂は不滅というのはホントかも、と思える写真でした。
おいしそうな大きなエビ!
まだ昼ごはん食べていなかったことを思い出します。
くだものたっぷりのウェディングケーキも甘い香りを放ちます。
そういえば打ち合わせの時、「照れくさいからファーストバイトはナシ」と断言する新婦のそばで新郎は「ええーっ!」と残念そうにしてました。
新郎はバイクが趣味。
カワサキの大型バイクをガンガン飛ばすライダーです。
バイク仲間でもあり、新婦の行きつけの美容室のオーナーでもあるご夫妻に紹介されて二人は出会いました。
新郎は30代後半。
彼の会社の方は「20年間、タケさんの結婚をとにかく待ちました。ほんとに長かったです」と実感を込めて話されました。
新郎のお母様の踊り仲間が場内狭しと輪を広げてくださり、宴は最高潮です。
お母様は私と同郷。
踊りを拝見しながら、お母様とはふるさと自慢で盛上がったこともふと思い出したりして。
この日、花束贈呈で登場した5才と3才のおチビくん二人はメッセージを何度も練習していたと聞き、さっそく本番で披露してもらいました。
マイクが差し出されましたが、ことばがすぐには出ません。
しばらくして「タケさん、結婚おめでとう」と愛らしい声が聞こえ、大きな拍手です。
披露宴の後半は、光のシャワーを浴びながらのキャンドルサービス。
新郎が「自分たちはたくさんの人の支えがあって生きて来れたんだと実感しました」と挨拶され、おひらきとなりました。
真っ赤なバラと、控えめで色白の新婦が、互いに輝いて見えた披露宴でした。