Aさんが新郎に向かって、「結婚式って花嫁さんばっかりよくほめられたり注目されるねー」。
新郎「僕は彼女のラッピングです。」
Aさん「?」
新郎「彼女は花嫁という名前の花です。僕はその花を包むラッピングです。花は十分きれいだけど、ラッピングでさらにきれいに見えるでしょ。結婚式ではそれが僕の役目だと思ってるんです。」
機転の利いたことばだなぁと思いました。
新婦が重く受け止めたことばを教えてくださいました。
新郎のご両親との初顔合わせの時、ご両親は「親としてB子さんをお迎えに参りました」と新婦のご両親に挨拶してくださったのだそうです。
このことばはこれから始まる新郎との新生活の支えとなり、心の糧となる大切なことばだと新婦はしみじみ話されました。
「人生は三度(『計画』『実行』『振り返り』)楽しまなくっちゃ」はご家族の生活姿勢。
司会にも通じることばです。
このような感受性が豊かなご家族に触れて、得をしたような気持ちでした。
一方で、私がお客様側に立ち、若手スタッフに説教じみた言い方をしたことがあります。
彼にとってはそれが自尊心を揺るがすものだったらしく、司会の最中に「何という言い方をするんですか!」と大声で抗議してきたことがありました。
お客様も見ているし、なぜ彼が怒り出したのか理解できずに固まりました。
その後は伸び伸びとした司会が出来なくなりました。
披露宴が終わってから「言い方がきついと感じたのなら、すみませんでした」とあやまり、彼も「いえ、こちらこそすみません」とペコリ。
でも、けっこうへこみます。
その日の司会は途中からはベストの状態ではありませんでした。
私の不徳です。
ことばの力、ことば、ことば。
反省の海にたっぷり浸かりながら、貝になってじっとしていたいような気持ちになります。