視線

ご登壇の紳士はお話をしながら客席をよく見渡し、お一人お一人と丁寧にアイコンタクトをとっていらっしゃいます。

やがて司会席の私にもチラッと視線を送って下さるようになりました。

その方は少々おなかが出てはいらっしゃいますが、今風のヘアースタイルが違和感なく似合っていて、スーツも上質の物であろうと思われ、胸ポケットのタイも差し色が効いています。

こんな方が夫だったら自慢できるわーなどと思いながら斜め横の司会席からお話を伺っていたわけで。

その彼が何度か私を見るのです。

もしかして私のことが気になる? 講演が済んだらお茶でもと誘われる? いやいやそんなはずは…。

お話が終わると大きな拍手の中、にこやかにみなさまに一礼し、最後の最後にまたチラリ。

 

後で気づきました。
司会席の後ろ脇に大きな時計がありましたとさ。

 

…ちっ

 

 

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