造形作家の共子さんは小柄な方です。
このたび青森市男女共同参画プラザで彼女の講演会を開催し、司会をしました。
男女共同参画プラザでは共子さんが代表をつとめる「命のメッセージ展」を2004年に開催したご縁があります。
映画「ゼロからの風」は、共子さんの一人息子零さんが19才で飲酒運転の車に命を奪われ、加害者へのあまりの罰則の軽さに法律を変える活動をした実話です。
映画のモデルになった共子さんは、かつて零さんがあこがれていた早稲田大学に、息子の思いを叶えるために50代で入学を果たし、昨年見事に卒業されました。
学生生活はとても楽しかったと教えてくださいました。
また、運動が実り「危険運転致死傷罪」という法律ができたものの、なかなか適切に罰則として当てはめてもらえないことから、現在も署名活動を続けていることも語ってくださいました。
そういえば福岡で三人の子どもが海に沈んだ交通事故でも加害者の「危険運転」が認められませんでした。
零さんが亡くなる前に共子さんに作っておいてと頼んだ8年前のギョウザは、まだ冷蔵庫にあるそうです。
取り出すことがあるのかどうか、ご自身でもわからないと話されました。
桜の舞い散る季節は零さんの思い出と重なりとても辛いとも話されました。
お住まいの神奈川は葉桜になって心がいくらか軽くなったのに、青森へ来たら桜が咲き出していて、胸が塞がる思いをなさったそうです。
こんな辛い思いを誰にもして欲しくないと語る真摯な表情に、司会席で涙しそうになった私。
映画の中で零さんの役をやった杉浦太陽クンが母の日やクリスマスにはプレゼントをしてくれ、まるで零さんから贈られたように思えて号泣なさったとも…。
活動に賛同して署名をし、また決して決して飲酒運転はしないし許さないと心したことでした。