ちどり酒して歩く

これは業界用語でしょうね。
ちどり足はあちらこちらに向かってふらりふらり歩く状態ですが、千鳥ってそんな感じで歩くからでしょう。
ちどり酒は結婚披露宴でご両親がお客様の席を飲み物を持ってあちらこちらご挨拶して歩く時に使われることば。
このことばを使うのはほんの一部なのかも。

ビールを何本も入れたお運び専用のワイヤーバスケットを持ってコンパニオンさんがご両親にぴったり付いて歩くこともあるし、そばにウーロン茶やお酒を持ったスタッフがご両親のそばに常にスタンバイしていることもあります。
全くご両親にはスタッフが付かない会場もあります。

タイミングによっては新郎新婦のセレモニーに立ち会うことができずにゲストを接待。
けっこうお父様お母様も忙しいのです。

ある披露宴でのこと。
新婦には産みの親と育ての親がいるほか、再婚した新しい父親もいて、みんなが出席していると聞きました。
新婦にとってはどの親も等しく大切。
でもそれぞれの親ごさんたちの心の中は微妙だったようでした。
その親ごさん全員に花束贈呈の場面がありました。
司会の私が新婦とのご関係をサラリと紹介したのですが、小さなどよめきが聞こえます。

それぞれがそれなりのお立場でちどり酒。
お客様に「娘をどうぞよろしくお願いします」と頭を下げていらっしゃいます。
当然ですがどちらの親ごさんにとっても花嫁さんは大切な娘なのですね。
そしてゲストをお見送りする時にはその親御さん全員が新郎新婦を囲むようにして並ばれました。
ラストには親ごさんたち全員でガッチリ握手という場面が生まれました。
ちどり酒の時には別々だったのに、その時みなさんの気持ちが一つに溶けたという感じがしました。
結婚を機に新しい家族関係ができます。

これは「結婚の力」かも。

ちなみに私はちどり格子柄って大好きです。

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