間違い

披露宴開始が近づいてから入ってきたニュースは、新郎のお父様が病院から披露宴のために駆けつけ、終わり次第また入院なさるというものでした。
お疲れが出ないようにとホテルのスタッフも細心の注意を払い、イスや控え室も用意しました。
でもお父様は穏やかな笑みを浮かべて、たくさんの客席を回ってご挨拶を続けられ、ほとんど中座なさることなく過ごされました。

披露宴も中盤、サプライズで新婦のお父様の誕生日のお祝いをすることになりました。
その時、数名のお客様がステージに上がり何度もお酒を差し出しました。
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新婦のお父様は勧められるままに数杯盃を空けたのですが、お客様はなかなかその場から動こうとしません。
お父様は義理堅く、注がれるままに又お酒を口になさいます。

あ、そうだお父様は今日病院から駆けつけてくださったんだ、あまりお酒をお勧めしたら体にさわる。
そこで、「お父様は体調がすぐれないとお聞きしていますし、お時間も迫っていますので、そろそろ誕生日のお祝いのセレモニーに進みたいと思いますがいかがでしょうか」とMC。
盛んにお酌しようとするお客様を仲間がなんとかお席に連れて行ってくださり、ようやくセレモニーが進み出しました。
新婦からプレゼントの贈呈もあり、お父様が嬉し涙する場面も心温まるものでした。

よかったなぁと一安心していたら「体調がすぐれないのは新郎のお父様だったんです」と担当スタッフ。
あっ、これは大変!!

すぐに場内マイクで間違いをお詫びし、ご両家の席にもうかがってお詫びです。
「おや、そうでしたか。私には何にも聞こえていませんでしたよ。」と優しく言ってくださる新郎のお父様。「そうそう、大丈夫。何も聞こえていませんよ」とお母様。
間違いの場面はご覧になっていたのに私への配慮に違いありません。
あー、実に申し訳ない。
「気にしなくて大丈夫ですよ、皆さんあんなに喜んで見てくださったんだから。」と新婦のお母様も言ってくださり、またまた恐縮。

【間違いに気づいたら、すぐに会場の皆さんの前であやまること】と先代の社長から教わっています。
「起こってしまったことより、どう転換するかですよ」ということばも思い出します。
それにしても、やっぱりごめんなさい。

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