サプライズのこと

司会の後輩が、新郎のお父様から、自分がキャンドルサービスのエスコートをしたいという申し出があり、それがサプライズとして実現したという話を聞きました。
かつてお父様はそのお仕事をしていた方で、親としてその姿を見せたいという思いがあったようでした。
新郎新婦もお客様もみなさん感動で涙なさったそうです。
とてもいい話を聞き、そうだ、私もそんなことがあったと思い出したので紹介します。

私の場合は新婦のお父様からのサプライズです。
披露宴も大詰めの頃、少し前に新婦のお父様が退席されました。
新婦からのお手紙の場面になりました。
ライトが会場後方に並んだ両家のご家族にパッと当ったとき、会場が一瞬ザワッとなりました。

新婦のお父様は今までの礼服ではありません。
作業服姿にヘルメットをかぶり、足元は安全靴という姿です。
ハッと口を押さえて驚いた表情の花嫁の目からみるみるうちに大粒の涙があふれました。

お父様は「皆さま驚かせてすみません。この格好は、男手一つで娘を育てるために必死に働いた私の本当の姿です。小さい頃の娘は、道端で穴掘りをしている私を見つけても知らん顔でした。その気持ちはよく理解できました。高校生になってからは多少行動が乱れましたが、私は全く心配していませんでした。とにかく娘がかわいくて大切でたまらなかったです」。
そんなことばに続き「娘にはいつもきれいな人生を歩いて欲しいと思い、汚い部分はこれからも父親の私がどんと引き受けてやるという気持ちでこのようななりをしたことをお許し下さい」と深々とおじぎされました。

お父様やスタッフからサプライズの内容は聞いてはいましたが、それでもガツン ときました。
その後はまるで映画のシーンのよう。
新婦はお手紙を持って父親の元に駆け寄り、お父様としっかり抱き合いました。
お父様がそんな新婦の頭を小さい子にするようになでました。
自然に拍手がわきました。
私もこみあげるものがありましたし会場で涙しない人はいないという状態でした。

サプライズの多くはひとに喜んでもらいたいという気持ちから企画されます。
このお父様の場合は、自分の正直な気持ちを伝えたいという思いでこのサプライズを考えられたのでした。

こんな場面に出会うと、ますます司会業が好きになります。
いつまでも続けたい仕事です。

サプライズのこと」への1件のフィードバック

  1. いい結婚式だったんですね。
    自分の時はまるでお人形のようだったのですが、こんな披露宴はきっと感動的だったでしょう。
    引き出物にだけ関心があったり、またお呼ばれかと渋々参加した昔とは全く違っているのですね。
    時々ブログを楽しく拝見しています。

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